MEボックスのピアノレッスン
~上質なレッスンを目指して~
ピアノはポピュラーな子どもの習い事ですが、日本のレッスンでは昔も今も読譜力とテクニックの習得にウエイトが置かれているようです。自分が弾きたいと思う曲をピアノで表現するには、基本的な演奏技術を身につけることが大切なのはいうまでもありません。でも私は、ピアノ演奏をあたかもスポーツのようにただひたすら教則本をこなしていくだけの音楽教育に違和感を覚えています。音楽とは本来そのような表面的なものより、もっと奥深いところに潜んでいる「曖昧でわかりにくいもの」「見たり触ったりできないもの」を感じ紡いでいくものだと考えているからです。
じつはこの「曖昧でわかりにくいもの」「見たり触ったりできないもの」が、人の想像力や創造的思考力の土台作りには必要だと気づかせてくれたのは子どもたちでした。それなのに私たち大人が「反復練習のみで得られるようなもの=分かりやすい目標」に気を取られてしまうと、ゆっくりと時間をかけ考えることで育まれる子どもの創造性の芽を摘んでしまいがちです。想像力や創造性は人間だけに与えられた特別な力だと思います。そこでレッスンでは、子供の言動にアンテナを張り巡らすこと、子どもの間違いは自ら気づいて訂正するまで待つ、大人の都合を押し付けないようにと心がけています。
次にレッスンプログラムの特長と使用楽器の紹介です。MEボックスでは効率的かつ画期的なレッスンを目指しています。そのためによくある既成の教則本に頼ることなく、レッスンで使用している音源や課題テキストの多くを講師自らが受講生一人ひとりにあわせ手作りしています。(ドラム及び英語コースも同様です)さらにクラシック音楽発祥の地であるヨーロッパらしい伝統的な音色とタッチを体感してもらうために、量産品ではない今時貴重なピアノでレッスンいたします。
音楽や芸術は曖昧さを受け入れ創造的に考えることで知識を知力に変えてくれます。未知なるものに積極的に挑戦することも教えてくれます。音楽を通して「Feel(=感覚や感情) to Think(=創造的思考力」と「Think to Feel」を行ったり来たりしながら、音楽以外の知識と教養もいっぱいいっぱい身につけてもらいたいと思います。そして、21世紀に入りIT化やグローバル化が加速する社会の変化のなかでは、ますます知的な情報処理能力が必要になってきました。学業や仕事においては、これまでのように与えられたものを真面目にただこなしていくだけではなく、自分自身で課題を発見・解決していく能力=創造的思考力(Think)を備えた若者が求められることでしょう。MEボックスでは、これからの国際社会の中で子どもたちが自信を持って活躍できるように小さな背中を応援いたします。
※次回は、日本の音楽教育及びエンターテインメント業界全般で抜け落ちている、最も重要な要素であるビート(リズム)についてお話します。
MEボックス 松永奈美
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在学中からピアノ・エレクトーンの講師として音楽教室で指導の傍ら、市内の有名ホテル、レストラン、結婚式場等で演奏活動をスタートする。当時の朝日放送テレビ「2時のワイドショー」にも何度か出演している。子育てで中断する時期もあったが、指導歴40年のキャリアを生かし従来の音楽教室では適応しにくかった子供たちの教育にも積極的にかかわっている。海外留学でのトラブルや被害から子どもを守るための支援活動にも取り組んでいる。